http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100411-00000532-sanspo-ent
大塚愛が「急性腹症の疑い」があると診断されたために仕事を休んでいたそうな。
いや、いいんだ、所詮サンケイスポーツだ。・・・そうは言ってもねえ。急性腹症というのは病態生理学的に規定された明確な疾患概念ではない。救急診療の現場において、緊急に方針を決めるべき腹部症状を呈する疾患群のどれかに当てはまる可能性の高い状態を急性腹症というわけだから、急性腹症に「うたがい」なんてない。急性腹症であるか、ないか、それだけだ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Acute_abdomen
上記英語版Wikipediaを引用したが、日本語版Wikipediaの記述は壊滅的な感じ。「かつて確定診断の精度が低かったときは仮に急性腹症の用語を用いていたが、現在では迅速な診断が可能となっている。」←急性腹症の意味をまるでわかっていない。
重要なのはその急性腹症を起こしていた原因が何であるかではあるが、急性腹症と診断すること自体にも十分意味がある。救急の現場の医療チームが今から全力で原因検索と治療に当たらなければならないと言う意思統一に役立つからだ。
やっかいなのは、日本というなんとなく馴れ合いで医療を進めていくシステムのもとでは、医者自身が「急性腹症のうたがい」なんてアホなことをいいかねないことだ。しかもそういう医者が必ずしも無能というわけではなく、ときに判断能力や治療手技などは素晴らしかったりして、しかし言葉の定義などが間違っていたりする。日本の体育会系知識労働(医療行為のことだ)においてはしかも、このような医師の方が尊敬され、定義をうんぬんする輩を軽蔑したりすらする。集団IQが低いからか・・・(便利な言葉だなあ)
だが定義は大事だ。特に長いスパンをかけて、医療全体と言う広い視野で、日本人全体を対象とした医療レベルの向上を考えたとき、また後輩の育成を考えたとき、定義がなければ正しく知識の伝達がなされない。それはまさしく今の日本の医療の根本的な問題点だ。だからここにメモしてみた。
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